クレミ

太陽を盗んだ男のクレミのレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
4.0
若者の空虚さみたいなものが全体を通してじゅわじゅわ滲み出ていてとても良い。原爆なんてとんでもないものを作ったはいいけれど、特にやりたい事も欲しいものも無い。とりあえず世間を大きく動かすような要求をするけれど、何か満たされるわけでもない。ただ作り上げてしまったものだけが残り、あとは全て消えてゆく。生きることにも死ぬことにも興味や執着が無いように見えるが、いざ死が目の前に来ると怯えてしまう。
破茶滅茶に繰り広げられる騒動の中でジワジワと迫り来る放射能、時計の秒針がタイムリミットを刻む。攻めすぎてて、やっぱこの頃の邦画すげーなと思う。わりとマイベスト級の1本。

とにかくジュリーが色気たっぷりで、狂っていて、なんとも言えない空気を纏っていて最高なんだから…唯一無二の存在すぎる。
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