上海十月

太陽を盗んだ男の上海十月のレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
4.4
長谷川監督は、もうほとんど、撮る事がないと思われます。すでに遺作でしょうか。再見して群集絡みの迫力は素晴らしい。皇居のシーンは、何で撮れたのかと思うほど刺激的(ゲリラ撮影らしい)。メーデー、東急、カーチェイスとドキュメントの中にジュリーが放り込まれている。池上季実子のDJで物語が唐突に破壊されるのがおしい。監督自身が胎内被爆者である事で被爆者団体の抗議を粉砕していたそうな。今作るとネットや、多くの圧力団体によって製作中止になりそう。以前見たときは、ジュリーの心情で僕って何?何がしたいの?に共感したが、時代が変わってしまうと8番どころかパキスタン、北朝鮮含めると10番になってしまい、ネットには原爆製作情報が溢れ、孤独な人たちが一般の人々に牙を剥く時代になるとこの映画の世界に近づいているんではないかとゾッとしてくる。師匠である今村監督は、重喜劇。長谷川監督は、重エンタテーメント作家であると個人的に思います。
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