最後から始まる。
それがどういう経緯で起こったことなのかを順々に遡って行く。
それぞれのシーンをちゃんと記憶していないとつなげるのが難しい。
主人公は数分前の記憶がなくなってしまうため自身の身体に刺青をしてメモを残す。
数分の記憶を順々に遡るということはつまり、その最初の場面は毎回新しい景色なわけで、それは主人公にとって新しい初めてのものであると同時に私たち鑑賞者からしても新しい初めてのものである。
だから頭がこんがらがる。
主人公と同じ立場で一つ一つの記憶を見るのは面白いが、私たちはその記憶を辿ることができるため真実がわかる。
しかし主人公はそれができないためにメモを残す。
それが真実かどうか自分では確認できないというところ、それを疑うということすらできないというところがこの作品のポイントかなと思う。
また観るだろうな。