踊る猫

メメントの踊る猫のレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
4.1
物語をエンディングから初めてスタートで終わらせるという斬新な時間軸の上で成り立つ物語。表現したいことは分かるし野心も買いたいところなのだけれど、やはり一度オチを知っている人間からすればそのオチに至るまでの過程を辿り直されている印象を感じ、素直に楽しめなかった。とはいえガイ・リッチーがいい味を出している。この映画はマッチョに演じさせると主人公の持つ記憶の保たなさから生じる心細さを取りこぼしてしまうことになる。とはいえ貧弱な俳優が演じれば、冒頭シーンの粗暴さが際立たなくなる。その点でキャスティングの妙が冴えている。現実と非現実(妄想・忘却)との乖離とは以前に観た『インセプション』でもテーマ的に似ている。ノーラン本人がどこまで意識したのかは分からないけれど。
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