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メメントのEditingTellUsのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
4.7
February 6th

Christopher Nolan監督作品。
なんじゃこりゃ。半端ねぇわ。Cinematic Elementを見てる余裕なんかない。頭の中で時系列と起こった出来事を整理するのでいっぱいいっぱい。

Christopher Nolanといえば、Jonathan Nolanとともに書く時系列を操作した脚本をもとにとる映画が有名だが、この作品のストーリー構成は中盤で読めた。それでもNolanはそんな簡単なことでこの作品を理解させてはくれない。ストーリー構成を読み取れたことは、読み取らされたというのが事実だろう。単純にカラーとモノクロを使い分けることで、時間軸の解釈につながったからだ。ストーリーが二つの時間軸が逆に流れて行くことだけでもかなり難しいだろう。それなのに、そこに哲学的なテーマというか、だれにも最後まで謎解きさせないように、最後のシーンまで持っていく。登場人物が少ないだけに、視聴者皆が最後のシーンが来る前に犯人見つけてやろうと思う。この展開を予想できた人はいないだろう。できた人はただの自慢野郎だ。なぜなら予想できないのが正解だから。Blink of Eye。

いくつもの謎がこの作品を支配する。
誰が奥さんを殺したのか。
John Gとは誰なのか。
Teddyとは何者なのか。
Natalieとはどんな関係なのか。
タトゥーが示す意味とは。
この5つが大きな謎なのだが、そこに小さな謎がたーくさんあり、それを各シーンで一個ずつ解決していく。最後のシーンでかなり納得いくまで謎解きしてくれるけど、Nolanはいくつかの謎を謎解きせずに謎のまま終わらせる。そこがまた、彼のすごいとこ。もう一回見たいと思わせることと、謎を視聴者自身が考えるという余地を与えている。ちゃんとしたエンディングを持っているのだが、オープンエンディングでもある。

CUがめっちゃ多かった印象だが、表情とか、キーポイントとなる物とかのCUが目線を誘導していた。あ!これ!って気づいたってことは、Nolanに誘導されてたってことですね。こういうFilmmakerになりたい。

とりあえず脚本が半端ないです。こういう脚本で撮影したことないから、プロダクションがどれぐらいすごいのかは、わからないですね。どこからどういうアプローチしたら、こういう脚本になるんだろう。
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