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メメントのおのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
4.2
言わずと知れたクリストファー・ノーランの監督2作品目。
この映画で特筆すべきは何と言っても構成能力や緻密な計算。起こる出来事は知らないことだらけで意味がわからないことだらけ、つまりは観ている側が完全にレナードの視点に立たされる、もちろんノーランの狙い通りに。

人の脳ってのはうまく出来てて記憶や学習能力があるのと同時に、記憶を回避したり喪失することもできる。それは生きていくためにある人間だけの機能だが、客観的な写真と違って、記憶は自分が思ってる以上に主観的っていうことだ。
無意識の部分で事実が歪み、それが正しい記憶として脳に残ってしまう。
この映画やレナードの混乱を通して自分の記憶を疑い、記憶の歪みの存在を認識する、これも素晴らしい“映画体験”だと思います。
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