クリストファー・ノーラン監督の作品を観るにあたって自分の中にある種の「覚悟」みたいなものが必要になってくるんです。軽い気持ちじゃ観られないというか。観終わった頭を使いすぎて後どっと疲れる感じとか。
この作品にもそのようなイメージが付きまとっていました。そのため、ずっと手が伸びずにいたんですね。
結論から言うと、観てよかった、です。
彼の作品をまだ三本くらいしかみていませんが、その中では一番好きな作品かもしれません。
皆様のレビューを観ていて「相当難しい作品なんだろうな」と、かなり自分の中で準備をして全身全霊で集中して観させていただきました。その成果もあってか、物語に振り落とされることなく観られたんじゃないかと自負しております(o^^o)もう何回か観たいなとも。
確かにオチに驚かされましたが、それより自分のの中に残ったのは、「記憶が10分しかもたない」男の見せ方が上手いなということでした!
一本の物語を千切りにして、結末から過去へと遡って見せていく手法は、映画を鑑賞している側に記憶障害の男の追体験をさせるということに適したものだと思います。素晴らしい。
「なんでこんなことになってるの?」という疑問に対して、一つ過去へ遡る度に答えを見せ、そしてまた疑問を........という構造になっていて全く飽きさせないものでした。
あらすじについては、それを語ることもネタバレに繋がるのではないかと思い、回避します。
よくこんなこと思いつくなぁ。
何回も言ってるんですが、クリストファー・ノーランさんは何者なんでしょうか。