サスペンスはいかに絶句させられるかが楽しみなんだけど、ある程度作品数を見ていると予想もついてくる節がある。
そんな視聴者心理すらも逆手に取ったような裏の裏とでもいうか、やっぱりノーランは我々の頭の何歩も先をいっていると痛感させられた。
お得意の時間軸トリックをふんだんに使って、レナードの心理状態の体験化。
そしてレナードという人物が障害や辛い過去と戦う、屈託のない人物に見せられているから凄い。
いちいち胡散臭い周囲、サミーへのこだわり、事件前後のレナードの記憶。
何度やっても電気の積み木を選んでしまうサミーと同じように、いつまでも終わらない復讐を選ぶレナードの本性に虚しさどころか恐怖すら感じてしまった。
サングラスかけての登場シーンはダメだよ、トリニティ。