おときち

メメントのおときちのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
4.0
記憶は思い込みであって記録ではない。


ずっと気になっていたのだが、タトゥーだらけのジャケット画像になんとなく手を出さずにいた作品。ようやく鑑賞。好きなやつだった。もっと早く観ればよかった。


妻が襲われた事件後、記憶が10分しか持たなくなった男がその犯人を捜す。こう書けば普通なんだけど、これが普通ではない。なんだこれは!面白かった。

始まってすぐに一つの結末が示され、映画はそこに向け10分しか持たない脆く危うい記憶、その記憶を記録したメモ、タトゥーを手掛かりに時間を逆行しながら進んでいく。
と同時に、モノクロ映像ではその結末に向けて時間通りに進む。


最初に「そういうことか?」と疑問ながらも気が付けたので、概ね理解できたと思うけど、まだ自信ないな。ここに気づけないとずっと置いてけぼりかもしれない。

登場人物は少ない。でもそれぞれの思惑、立場がわからず誰が本当のことを言っているのか、誰が嘘を言っているのか、モヤモヤ・ハラハラしながら時間が戻ったり進んだりして映画は進行していく。


うーん、すごいな。
蜘蛛の糸を辿るように迎えた映画としての最後もなかなか。
「おい!お前!」って。でもちょっと切ない。
やはり、全部はわかってないかもしれない。
もう一度観たら違う感想を持ちそうな映画。


こうかくとややこしい印象になるけど、カラーとモノクロでパッパッと時間軸が切り替わることが分かり、それぞれの場面は短くテンポも良いので、すんなり最後まで観ることができた。


でも、わからん。わかったような気がしてるだけかもしれない。
記憶と記録は、主観と客観ってことだな。
ちょっと怖いかも。