ラチェットスタンク

メメントのラチェットスタンクのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
4.6
クリストファー・ノーラン
現在史上最高の監督と名高い彼、彼のキャリア中でも最も素晴らしい映画としてあげられるのがこの映画。佳作「フォロウィング」から2年、長編2作目にして結転承起という多くの人が映画でやってこなかった事に挑戦し見事に傑作を作り出した。

前向性健忘という障がいを持つレナードが主人公で、映画が巻き戻されて進んでいくという最高に斬新な映画構成。
もっと言えばただ巻き戻されるだけでなくシーンの合間にモノクロで前に進んでいくストーリーが入れられていて、物語のある地点に1番最初と1番最後から迫っていくという構成のされ方です。

シーンチェンジの編集の上手さ
映画全体の儚げな雰囲気を作り出す音楽
結末の原因へと迫っていき進むたびに謎が深まっていくストーリー
特に矛盾も無くとりあえず脚本の完成度が高い

人間のリアルな部分を映した興味深いキャラは多く、映画自体の斬新さだけに頼っていないあたりが良かったです。

記憶は自他の確認に必要なものであるが、記憶こそが最も不安定なもの。それを記録するとしてもその記憶を持たない主人公は自分や他人が誰であるかすら知ることができない。

思考レベルを上げ過ぎず、それでいて簡単になり過ぎない。適度な難しさがより作品への親しみ易さを倍増しているように思えます。

謎が解かれてく系が苦手な人でもある程度集中すれば一度で分かるし、作品自体の完成度に惹かれる人は何度でも観れる。でもまあ二回目観た方が楽しめるのは確か。

ノーラン作品はSFとかのビックバジェット物が多くなってるけどこの頃みたいな映画もまたとって欲しいかな。