Clara

マシンガン・プリーチャーのClaraのレビュー・感想・評価

マシンガン・プリーチャー(2011年製作の映画)
3.7
サム・チルダースという牧師の実話。元麻薬密売人でどーしようもなかったが、ある出来事をきっかけにまともな生活を送るようになり、牧師になり、アフリカで孤児院を始めたというのがこの人。

この人の正しいと思うところは、室内で交渉やらなんやらする時間があるなら現場で行動しろという点。根本の解決、仕組み作りなどのために室内での協議などはプロの仕事には欠かせない。でも現場あってこそというのは紛れもない事実。
また、自分がとっている方法に関して正当化するつもりはない。でももし自分の身内がさらわれて助けることを約束されたら、その方法をあなたは問うだろうか?エンドロールで流れた彼の言葉で、正当化のつもりがないとはっきり述べている点にも好感を持った。

みんなが同じやり方をする必要はないと思うが、彼がいなくなったらあの場はどうなるのか。継続される仕組み作りがされていなかったら意味がなくなる。不要な置き土産にならないことを願わずにはいられない。
そして、彼のやり方は本末転倒もいいところだったなと。試行錯誤だったからやむを得ないかもしれないが、自分の家族を完全に犠牲にしてしまっている。精神も蝕まれ自分を見失った。プロだって精神ケアは義務付けられてるいのだから、そういうところに甘さが見えた。思いだけではダメだということ。
また、実際の彼の言葉かわからないが、「助ける」という言葉も不適当かと。それでもやっぱり、あの行動力は普通じゃない。素晴らしいものをもった方だと思う。

本当の意味での赦しを知っているのは、目の前で愛する家族を殺されたり、自身の手で殺さなければならなかった、日々を恐怖の中で生きる現地の人々。心の傷は一生癒えない。それでも彼らは、赦すことを知っている。憎しみに侵されたら負けだということも知っている。本当に本当に強い。そしてその根底には神を信じる力があったりもする。これはあらゆる場所で共通することだと思う。

(2011年、スーダンから独立して南スーダンが国家として成立。しかし、平和は遠のくばかり。ついに2015年は、支援団体のみならず国連機関さえも撤退せざるをえないほど情勢が悪化。失敗国家として位置づけられている。)