昼行灯

静かな生活の昼行灯のレビュー・感想・評価

静かな生活(1995年製作の映画)
4.0
一見すると、無印良品が監修したんじゃないかと思うほどオーガニックで毒のない無添加映画に見えるが、淡々としたタッチのなかで時折顔を出す死生観だったり、ちょっとした事件(主に性絡み)が妙に生々しかったりするあたりに伊丹十三らしい毒気を感じる。

親が不在の兄妹が、小さな森(村?)で悪と対峙する構図は、どこかヘンゼルとグレーテルのような童話的イメージを思い起こさせたが、根本にある思想はなんとも仏教的。

「元気を出して、死ぬまで生きて、そこから死んでください。」
イーヨーが呟くこの一言に尽きる。
昼行灯

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