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JMのtakのレビュー・感想・評価

JM(1995年製作の映画)
3.1
キアヌ・リーブス演ずる主人公ジョニーは頭に記憶装置を埋め込まれた"記憶屋"で、情報取引を仕事としていた。ある仕事で容量以上のデータを詰め込まれた。それは流行しているある疾病の治療法であったため、世の中に出ると不都合な連中に追われることになる。追う側にヤクザの幹部ビートたけし、殺し屋神父ドルフ・ラングレン。キアヌを守る側にヒップホップ界の人気者アイス-Tとディナ・メイヤーという顔ぶれ。

この映画で描かれる未来社会は細部が凝っていて、サイバーパンクとして実に面白い。日本のヤクザがマフィアのように裏社会を仕切っていたり、コンピュータの中で意識として生き続ける人間が出てきたりも面白いのだが、極めつけは、暗号解読の名手ジャンキーのイルカ。

しかしながら、細部へのこだわり程にストーリーは練られておらず、魅力的なキャラクターたちがいるだけに物足りない。科学技術の進歩に人間様があたふたする物語とも言えるが、別にそんなお堅いテーマを訴えたい映画ではない。しかし「マトリックス」よりも前に、キアヌがサイバーゾーンにダイブする映画を撮った先見性はアッパレである。
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