順風ライフseason4

多桑/父さんの順風ライフseason4のレビュー・感想・評価

多桑/父さん(1994年製作の映画)
4.0
1929年生まれの「父さん」は年を聞かれれば「昭和4年生まれ」と答える。「バカヤロー」と怒鳴る。台湾製はだめだ、日本製はいいぞと言う。“日本は台湾を50年統治し、終戦時には台湾人の同化が完成に近づいていた。それでも日本の撤退後、ずっと日本語で話し続けた世代は、1920年代〜30年代前半生まれまでの一世代に限られる”(新井一二三著「台湾物語」)家では台湾語(たぶん)を話し、同世代の友人と会うと日本語になる。幼い息子も父さんの日本語が少しわかる。日本人になるための教育を受けた父さんと、その背中を見つめる国民党の党国教育を受けた息子。その孫は北京語で祖父と会話ができない。死ぬ前に富士山と皇居が見たかった父さん。