ブタブタ

ICHIのブタブタのレビュー・感想・評価

ICHI(2008年製作の映画)
3.0
「女座頭市」をやろうとしたその気概や実験的精神は評価すべき。
『座頭市theLAST(失笑)』と比べたら綾瀬はるかの殺陣も天地の差がある。
非常に色んな要素、今の日本映画にはない物、フリークスや被差別部落、まつろわぬ民と国家権力の闘い等「タブー」とされている事に挑戦している。
想像ですけどコレを企画した人やプロデューサーといった人達が一番飛ばしてて、それに現場のスタッフキャストが全くついて行けてない感じ。
だって監督がのち『ハガレン』を撮る人だもの。
北野武監督が長年構想している時代劇の企画『首(仮題)』は本能寺の変をメインにソレに関わる人々や謎に加えて被差別部落のフリークス達の反乱を描く、片脚の少女がバレーを踊ったりもする言わば時代劇版『エル・トポ』みたいな作品らしい。
『ICHI』も「座頭市」ってフリークスの有り得ない強さの剣士を描くんだからもっと異形の怪物として、それが綾瀬はるかって見た目が美女ってギャップでもっともっと面白く出来たと思うのに。
『ICHI』のダメだった部分はアクションなのか恋愛なのかハッキリしない所だし、相手役の大沢たかおは何で「弱いサムライ」何だろう。
勝新1989版『座頭市』の緒形拳みたいな座頭市と同等か互角の剣客にしないと盛り上がらない。
大沢TKO氏が居る映画は大抵失敗作なので『キングダム』ももう諦めてますが。
『るろうに剣心』の監督とかせめて他の人に撮って欲しかった。
綾瀬はるかをワイヤーで釣って回転させてフィギュアスケートみたいにトリプルアクセルで敵をぶった斬るとか、CGや特撮使ってもっと滅茶苦茶な有り得ないアクション映画にすべきだったと思う。
ブタブタ

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