カツマ

ミレニアム2 火と戯れる女のカツマのレビュー・感想・評価

ミレニアム2 火と戯れる女(2009年製作の映画)
3.5
脳裏にこびり付く炎の記憶。過去へと遡る旅は新たな火種を生み出し、いつしか凶悪な死神を呼び寄せる。ノオミ・ラパスがボロボロになりながらリスベットを演じるミレニアムシリーズ2作目。

青い空も見えない重苦しい大気。北欧の殺伐とした寒気が流れ込んで来るかのように、凍てつく殺意が無機質に人を殺す。リスベットの隠された過去に迫る慟哭の第2弾。彼女の記憶の底に溜まる闇がついに表面化する・・。

〜あらすじ〜

1年前の連続殺人事件の終息以降リスベットは姿を消していた。雑誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、もう1年間もリスベットに会うこともできずにいたが、それでも彼女の消息は気にかけ続けてきた。
そんなある日、ミカエルの元に少女買春組織を取材する記者ダグが現れ、それに伴い『ミレニアム』でも買春組織について書かれた彼の記事を出すことになった。だが、その矢先にダグと恋人ミアは惨殺され、ミカエルはその殺人事件の第一発見者となってしまう。
一方、リスベットの後見人ビュルマンも無残な死を遂げる。彼は何故殺されなくてはならなかったのか?殺されたダグが追っていた人身売買との関連は果たしてどこに・・?

〜見どころと感想〜

一作目は完全に独立した作品だったが、この二作目は三作目と地続きになっており、所謂前編のような位置付けにある。物語の展開がかなり早く、油断していると後編に行く前に置いてきぼりを食らってしまうので要注意。

リスベットとミカエルは今回は別行動のため、二人のタッグはほとんど見ることが出来ない。交わらないはずの線が交わるまでを運命のいたずらのように描き出し、悲しみの連鎖はいつまでも止まることはないことを告げているかのよう。リスベットの過去との戦いを表出させた血みどろの激闘が繰り広げられ、三作目へと物語は続いていく。
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