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やさしくキスをしてのBaadのレビュー・感想・評価

やさしくキスをして(2004年製作の映画)
4.6
だいぶ前に見ました。
見終わってから久しぶりに飲めないブランディーでも舐めてから家に帰りたい、と思ったほど余韻の残るいい映画でした。

ケン・ローチだからと固く考えず普通の恋愛映画としてみると、すごくうまく出来ているような気がします。

パキスタン人といっても、この映画に出てくる人たちは「モンスーン・ウェディング」や「ベッカムに恋して」の登場人物たちと同じく宗教を超えてカウントすればインド系では大マジョリティーのパンジャービーでイスラム教徒としてくくるよりり、そちらのくくりでとらえた方が文化的には分かりやすいかな。

家族やお客を大事にして、オープンで享楽的で、誠実で働き者。男性も女性も、ほっといても普通のイギリス人よりは魅力的な人が多いというのが、個人的な印象。

という訳なので、率直に言って、主人公の女性はうまくやったな、というか、非常にうまく彼を操縦しているな、と思ってしまいました。無意識かもしれないけれど、ああいう形でなければ彼は彼女をステディーな恋人とは意識しなかったろうと思いますから。

で、この映画のうまいところは、恋愛の過程において一番甘くて楽しいだろうところを少ししか描いていなくて、大変なところばかり描いていてその先を描いていないところです。いわば、引き算の勝利?!

結婚してもうまくいかない、という意見もありますが、それは、そこまで考える必要があるのでしょうか?なんといっても、彼女の方はまだ結婚しているのですから。

(日本初公開時劇場鑑賞)
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