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復讐 THE REVENGE 運命の訪問者のネットのレビュー・感想・評価

4.0
弱さとはリアリズムの問題なのかもしれない、ということを無敵の哀川翔を見ながら思う。銃弾が飛び交う中で平然とリロードをする姿はあまりにもかっこいい。心を殺して(殺されて?)亡霊的に動き、復讐を淡々と成し遂げる黒沢清的キャラクターの哀川翔はいつも通りかっこよく、だからこそ人生がどうだとか、弱さや恥といった生きることについてだとかとは全く無関係の存在であり続ける。
改めて黒沢清の、というより『CURE』の何に惹かれていたのか考えていたのだけど、一つは幾何学的な画面だったのかなーと思ってそれを前提にして見る。のっけからアパートの屋外階段の形にアガる。人物も単なる形として捉えてる感じが好きなんだろう。和室が出てきたあたりで、廣瀬純が「小津は人のバストショットを単なる三角形としてしか見てなかった」みたいなことを言ってたのを思い出す。
車中の哀川翔を外から挑発する六平直政を見てると、トムクル演じるリーチャーみたく窓ガラスを拳で割ってくれないかなーと期待してしまった。『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』がなぜ好きだったのか、ようやくわかった気がした。映画の規模があまり大きくないヤクザ映画だったからだ。
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