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天国と地獄のkoyamaxのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
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誘拐もの現代劇。
有名すぎるのであらすじ割愛(私が雑なだけ。。)

黒澤映画のすごいところは、情景描写の凄まじさ
そしていきなり核心から始まるところですね。

こう言うこと書いちゃうと映画の教科書みたいですが、


意識してるしてないに関わらず
遍くある映画で観たい出逢いたいもの、その根源的なものとなる要素の一つ

それが
「明確な二極対立の葛藤」そのもの

だったりするのかもしれません。

逆に言うと葛藤しない映画ってそんなないですからね。

その直球、どストライクを投げる力が黒澤映画にはあります。
そしてふだん意識していないこの辺りを
どうだ!と突きつけてきます。

この辺りが巨匠たる所以かわかりません。。規模とかありますし。。
(もちろんこの監督には無い。と言うものもあります)

ただ好みはあるのでしょうが、
映画でみたいものの要素の中央にあるものを突きつけられますので、
毎作無視できません。

いい人にも悪いところがある
悪い人にもいいところがある


良さげな環境も劣悪なところがある。
劣悪な環境も良いところがある

光もあれば闇もある。

全部当たり前なんですが(^ ^;

全盛期黒澤映画はいつだって映画の真ん中を目指します。 
そして黒澤映画のエース。そいつの名は
三船さんでも志村さんでもなく、
「葛藤」。


お話の善と悪も映像の光と闇も総ての要素で対立要素を全面に押し出しながらも、、

そんな割り切れる要素ばかり、生きてりゃないでしょう。
と、割り切れない要素を放り込まれます。

全部見せられてあんたはどう思うと問われるあたり。
そこが、個人的な黒澤映画の面白みですかね。

一般的にエンタメとして面白いと言っていいのかわかりませんが、
個人的には気持ちいいという感じなんですよ。
全盛期の黒澤映画に対しては、

テーマに対して、これでもかとシンボリックに映像化されていくことに気持ちよさがあります。
(この辺りが絵画っぽいというか、音楽っぽさを感じます。。)

見事に映像化してくれて、
面白かった!と言うよりも、
気持ちいい!
いつもと言いたくなる謎の癖が発生してます。
元々内在する体の中のツボを押される感じですね(謎

これといって黒澤ファンとは言い切れませんが、
そういう映画は見るとウハウハします。
今回もそんな映画でウハウハしました。(雑


もう少し映画を見ていたかったのですが、
(観た映画はもうすこしありましたが、)
2022年はここまでかと。。


来年はもう少し映画を観れるといいなと思う次第です。
良いお年を。
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