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天国と地獄のkaoruiのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.5
午前十時シリーズにて。
前半の室内劇は何度見ても圧巻だ。企業ドラマと警察ドラマと緻密なサスペンス劇が完璧な構図で交錯する。
密室の緊張が最高潮に達していたたまれず窓を開けた瞬間、小屋の中にも外気が流れ込む。
仲代のセリフと管楽を合図に物語が大きく動き始める流れもワクワクする。
会議室の汗、汗、汗、パタパタはためく扇子達。仕切る仲代、志村喬の顔一発の器量。
後半やや豪快にピカレスクな魅力的だった三船の人物造形がヒューマニズムの枠に収まり停滞してしまうが、それもこれも黒澤なんだな。

今思うと犯人、結構人生の勝ち組ちゃうの?っと思ってしまう小市民の僕。
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