たけちゃん

天国と地獄のたけちゃんのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.1
天国はどこにある?


黒澤明監督 1963年
主演 三船敏郎、仲代達矢、香川京子


やって来ました~\(^o^)/
北海道が誇る大都会札幌。
ちょっと、明日、用事があったので、前乗りで来札しました。もちろん、前乗りの目的は「ブレードランナー2049」をIMAXで観ること(。・ω・。)ゞビシッ!!

でも、せっかくなので、早起きして、「午前10時の映画祭」にも間に合わせました!やっているのは黒澤明監督の「天国と地獄」です。

わ~い、嬉し~✧٩(ˊωˋ*)و✧
実は黒澤映画、初劇場なんですよ。
さらに、「天国と地獄」も初鑑賞(๑•̀ •́)و✧
これは縁が無かったんだよね~。ウレシス!


でも、前にゴゼジューに来たのは「ローマの休日」だったので、ほぼ満席だったのに、今日は半分埋まってないなぁ。でも、隣が空いてて嬉しいけど(笑)



いきなり「東宝」の文字ドーン!
おおっ
音楽バーン!
おおおおおっ

もう、いつゴジラの咆哮が聞こえてもいいよ~(笑)

でも、そんな雰囲気でしょう?
白黒だからか、始まり方、怖い😱




それにしても、面白かったなぁ。
やっぱり黒澤監督すごいわ!
とにかく、全ては脚本だよね。


簡単に言うと……
1.子どもが間違って誘拐される
2.身代金の要求を飲む
3.犯人、見事に身代金ゲット
4.警察が総力を上げて、犯人探し
5.犯人が捕まりエンディング~

というストーリーです。
こう書くと全然面白そうじゃ無いぞ:(´◦ω◦`):



ところがどっこい←フルイ、これがめっちゃ面白いの
( ˘ ˘ )ウンウン
周りの人間関係の面白さね。


まずは前半、自分の子どもと間違えられ、他人の子の身代金を要求されるんだけど、その要求を飲まざるを得ないように、設定がいくつも重なっているんですよ。前半は、まるで舞台を見るかのような演出でしたね。目の前で演じていて、ちょっと大袈裟な芝居。芝居の勉強にもなる( ¯−¯ )フッ


そして、次、中盤の特急こだま(新幹線ではありません)を使った身代金強奪のくだり。実際に国鉄から車両を借り切り、実際に走らせて撮影したというこだわりよう。だから、ミスができず、すごい緊張感の中で撮影されたようですね。すごい。


そして、後半、警察が威信をかけて犯人を探すところ。文字通り、汗だくになりながら「足で稼ぐ」を体現したかのような聞き込みと、集められた情報で犯人に近づいていく様が、本当に素晴らしいんです。


いろんな要素がてんこ盛りです。


そして、さすがに豪華な役者陣
見たことある人のオンパレード

えっ、そんな扱い?って感じでしたよ。




そして、少しネタバレになりますが……


この映画、最後は天国がどこにもない。
犯人は捕まったので、もちろん地獄
主人公の三船敏郎演じる権藤金吾は、会社に残ることができず、家までも手放し地獄
警察は犯人は逮捕できたが、権藤の元に期限までに身代金を戻せず地獄

犯人にとっては、地獄のような暮らしの自分の家から見上げた権藤の家と暮らしが天国に見えたことによる逆恨みだけど、どの家庭にも様々な問題がある。

まさに「幸福な家庭はどこも似通っているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である。」なんですよ。



じゃあ、誰が天国にいるのかって話ですよね。
その社会が抱えている矛盾までをも描いた秀作ですね。七人の侍にも通ずる。勝者が勝者では無い。唸りました!

ラスト
シャッター、バーン
閉店ガラガラ~

観ている我々の倫理観に問いかけて止みません
(。・ω・。)ゞビシッ!!