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天国と地獄のskm818のレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
3.8
これ最後まで身代金の受け渡しの駆け引きで引っ張るのかと思ったら違うのな。金と引き換えに誘拐された子を奪還するのは前半で終わり、あとは仲代達矢演じる戸倉警部率いる捜査陣が犯人を突き止め逮捕するまでの話となる。
仲代達矢も山崎努も若くてたまらんイケメンっぷり。歳食ってから渋い人って若い頃イケメンだったんだな。
ごちゃごちゃと狭い部屋での捜査会議の様子など実際当時はこういう感じだったのだろう。
犯人の男の動機がイマイチよくわからんのだが…だってインターンってそのうち医者になれるし、そしたら貧乏生活からは脱出なのでは? 少なくとも引っ越せるのではと思うんだが。
でもよく練られているようで実はすぐに足がついちゃう穴だらけの計画、いかにもおかしな逆恨みから発生したような行き当たりばったりな感じってのはよく出てた気がする。やり場のない何か。無関係の人間を行き当たりばったりで3人殺して反省もない。こいつ何がしたいんやって思うけどさ。
そして全てを失ったかのように見えた権藤にはこれまでの努力や実績から新たな道が生じ、何も持たなかった犯人はそれこそ命まで失うことになり、最後まで救われない。勝ち組は結局救われ、負け組は最後まで這いつくばるしかないという残酷な事実。なんだろうな、この徹底した格差社会は。
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