TAKA

天国と地獄のTAKAのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.7
2017-179-138-041
2017.10.29 TCなんば別館 Scr.12

午前十時の映画祭8 11本目

・世界水準の演出、技巧の極致!
巨匠の作り込み
・そこは天国か地獄か。
・人間ってのは・・・

凄かったです・・・
演出、そしてセットの作り込み。

確か黒澤監督には、線路沿いの家が撮影に邪魔だからどかせた、だとかそんなエピソードがあったと思うんだけど、それは本作じゃないのかな。

まさに完璧!世界水準( ̄▽ ̄)b!
同時代のハリウッド映画と比べても何ら遜色ない!

というよりも、寧ろ当時の世界の映画界が黒澤監督作品の演出を参考にしたのではないだろうか。
多分そうだよな・・・

そんなことを思いながら観てた(^_^)
「野良犬」のセットも金かかってそうだったよな、そう言えば・・・
なんてことも思い出しながら(笑)

とにかく端役やエキストラまで完璧な演出とセットの作り込みだったと思います。
感動しちゃいました(^_^)

もちろんドラマも素晴らしかった。

ミステリなのでね。
ネタバレしない主義の俺としては詳しくは書けないんですが・・・f(^_^;

ドラマは前半の誘拐事件パートと後半の捜査パートに分かれます。

前半はほぼワンシチュエーションの密室劇。舞台っぽくもある。

ここで俳優「三船敏郎」の凄さを改めて再認識しました。
苦悩する姿に漂う男の色気が半端ないんすよねぇ~( ̄▽ ̄)b!

ごめんなさいm(__)m
野良犬みて、俳優としてはそんなに巧い方ではないのかしらん?なんて、チラッと思ってました。

本作の主人公は、三船敏郎さん以外考えられないです。( ̄▽ ̄)b!

密室の中で
新事実が発見される毎に、
犯人からの電話がある度に、

三船敏郎さん達は
地獄から天国へ帰還し、
天国から地獄へと突き落とされる。

まさに天国と地獄は紙一重。
何が天国で何が地獄なのか。

前半のラスト。
子供の名前を叫びながら走り出す姿に
胸アツでした。
。・゜゜(ノД`)

後半。
凄いなぁと思ったのは、捜査会議のシーン。
垢や汗、ヤニ、疲れのにおいが画面から漂ってくる気がした。

脇を固めてる名優達は当然として、台詞ない人もみんなキッチリ芝居してるんですよね。
この場面に限らず、刑事達がリーマン的にダレたりする場面も含めて、演出の詰めがホントに凄いなと思った

後半は・・・
この世そのものが既に地獄なのかなって。
そんなドラマだった。
描かれる地獄が半端ない。
人間ってのは・・・
哀しい生き物なんだなって。

エンタメ演出だってわかってる。
だけど鬼気迫る描写と演技が凄い。

そしてクライマックスの演出。
感動しました。

ほぼ完璧な映画だったなと。
人間を真正面から描いたエンタメ作品。
最高でした(^_^)

追記。
・「3度目の殺人」で感動した、ガラスへの映り込みの演出。
本作で既に使われてた。(゚д゚)
ホントに偉大な監督なんだなぁ・・・
単に俺の勉強不足?f(^_^;
・山崎努さん若い!だけどやっぱり山崎努さん。(^_^)
仲代達矢さんも。
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