namuge

天国と地獄のnamugeのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
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ヤク中のシーンエグくないですか?

主人公権藤の住んでいる天国と犯人の住んでいる地獄。ラストシーンで対面し、幾度となく重なりあう二人の面影に犯人と権藤とは天国と地獄とはコインの表裏のような存在だと気づかされる。決っして裕福な家庭の生まれではない権藤にとって犯人はもしかしたら自分もそうなりえたかもしれない存在として自分の前に立ちふさがる。

もしかしたら、犯人も権藤が最初からあの天国のような場所で生きてきたわけではないことを知ればこんな犯罪を犯さずに住んだかもしれない。もしかしたら、権藤の靴にかける情熱の高潔さを知ればこんな犯罪を犯さずに住んだかもしれない。二人の短い対話は無慈悲に下ろされるシャッターによって閉ざされ、他人に対する無理解が産み出した憎しみに支配され続けた犯人は権藤を理解するチャンスを永久に失い、法の下の裁きを受けることになる。
なんて虚しいんだ。
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