上海十月

天国と地獄の上海十月のレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.6
リバイバル公開を静岡東宝で見た時が蘇ります。リバイバル公開時の新聞広告にジョージ・ルーカス、フランシス・フォード・コッポラがコメントを寄せているところに当時のハリウッド映画に傾倒していた自分が驚いたことよく覚えています。前半のほとんどオープニングの音楽以外に音楽がない展開に久しぶりに見て驚かされます。サスペンス映画を徹底的に作りたいと言う意思のもとに作られている。オープニングの株のパーセンテージについての言い争いが最初誘拐事件なのに違和感を持っていたがこのやりとりが金を払う払わないの緊張感を高めていく。指摘してる人もいるかもしれないけどヒッチコックの「ロープ」のようにも見える見事な舞台劇のような演出だったと思います。そして犯人に監視されてるかもしれないとして捜査員たちが伏せるところとか大きな窓とかは、もしかしたら「裏窓」の逆張りをしたんではないかと思う位です。ただ後半は、黒澤が傾倒してるドストエフスキーの「罪と罰」のような展開となり重々しい感じとなり、まして罪を重ねさせるように誘導する捜査員たちが?と感じてしまいますね。黄金町のシーンを見ながら黒澤にゾンビ映画とか作ったら面白かったかもしれないなとつい思ってしまいました。
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