まさなつ

天国と地獄のまさなつのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.6
東大阪市にある布施ラインシネマが今月末で閉館になるのですが、そのラストショーで87本もの作品を上映するという嬉しい暴挙😊に出てくれました。

今日は黒澤祭りの3作。1作目がこの作品。黒澤と言えば時代劇ですがこれは別格。

もしも、シェークスピアがサスペンスを書いたら、こんな作品になるんやないやろかと妄想します。それぐらい重厚な人間ドラマです。

何と言っても、主役の権藤=三船敏郎の苦悩が全て。そして吹っ切れた時の、、、泣くような映画ではないのに、前半ですでに涙が溢れました。

そして、ボロアパートから見上げる丘の上の邸宅。パラサイトな上下の構図。あまりにも有名な身代金受け渡しの緊迫感。ラストのまだ若い山崎努の迫真の演技。緊張の連続なのに時折挟まれるユーモアな台詞。一瞬の隙もない練りに練った完璧過ぎる脚本。

公開当時、捜査のやり方に批判があったようですが、それほどリアルだったということかと、、。

もう何度も観てますが、何度観ても時間を忘れ見入ってしまいます。これぞ映画。やはり傑作としか言えない!
まさなつ

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