浅野公喜

マイク・ザ・ウィザードの浅野公喜のレビュー・感想・評価

マイク・ザ・ウィザード(1988年製作の映画)
4.2
テレビ番組用の映画を作る為に自主映画製作者が奔走する、マイク・ジトロフなる人物が監督・脚本・主演を務めたファンタジーコメディドラマ。色々勇気貰えました。

組合云々の面倒なハリウッドの仕組みをユーモラスに描写&批判しつつ、凝ったコマ送りのアニメーションが所々に挟まれ、アマチュア風ではあるものの動きが早い昔のフィルムのような凄まじい勢いの作風にはただ圧倒。ピタゴラスイッチ風にセットが壊れたり、ツアー中の観光客に組合の建物を「ジャンプの壁」と説明し蹴らせて建物を揺らしたり、悪徳プロデューサーにフィルムを届ける為にフィルムの入ったトランク型自動車?に乗ってちょっとしたカーチェイスが展開されたり彼のプールに延々と沈んでる長回し等楽しめるシーンも多く、終盤の完成作品にはちょっとした感動が。

パトカーを盗まれる警官役に何故か「特捜刑事マイアミ・バイス」のフィリップ・マイケル・トーマスも出演しており、ウディ・アレンのそっくり3も登場。DVD化されてませんが、この映画愛創作愛に満ちた作品は個人的に「僕らのミライへ逆回転」、大袈裟かもしれませんが「ニューシネマ・パラダイス」に肉迫する魅力を携えてると思いました。機会が有れば是非。

※VHSをレンタルしましたが、興味が有る方はタイトルをあのサイトで検索してみてください。
浅野公喜

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