rage30

マッチスティック・メンのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

マッチスティック・メン(2003年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

神経症の詐欺師の話。

広場恐怖症と潔癖症を患った主人公を演じるのは、ニコラス・ケイジ。
常にテンパっている役柄はニコケイに合っていたと思いますし、わりとコミカルな編集もあったりして、笑わされる場面もありました。

そんな男が疎遠になっていた娘と再会し、同居する事になると。
この辺も笑えると同時に、親子の交流にホッコリさせられる部分もあったし、主人公の成長を感じさせる部分もあって、普通に感情移入して見ていたのですが、ラストにまさかの大どんでん返し。

相棒も娘もグルで、主人公を騙していた事が明らかになるわけですね。
私自身もすっかり騙されたというか、ビックリさせられましたし、この「全ては最初から仕組まれていたのだ…」と言わんばかりの突き放した世界観は、正しくリドスコの作家性であり、リドスコの映画だな~と、しみじみ思わされました。

バッドエンドと言われれば、バッドエンドなものの、見方を変えれば、主人公が堅気の世界に戻る為の禊だった様にも思えるし、結果的に病気も回復し、恋人も得られたのだから、ハッピーエンドと言っても良いんじゃないかな。
主人公自身が「世界の見方が変わったんだ」という台詞を言う様に、主人公が世界の見方を変える…そして観客もまた世界の見方を変えてしまうのが、リドスコ作品の特徴と言えるでしょう。

リドスコがコメディーを撮るなんて珍しいな~と思っていたら、最後の最後はリドスコ節が炸裂していて、すっかり彼の手の上で踊らされていたんだな~と。
一番のマッチスティック・メン(詐欺師)は、リドスコ本人だったのかもしれません。
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