彩りある生きる道を見出していく。
別のバスに乗って。
都合が悪くなると黙り込み、逃げ出し、自分のために生きてきた真が事件以降、生き残ってしまったという負い目や、誰かのために生きようとする。
徐々に本当はやさしい心の持ち主であるのが分かってくる。
そもそも多くの誰かの命を預かり、それらを目的地まで無事に送り届ける。
そんなバスの運転手に憧れを持つこと自体そうなのでないだろうか。
だが何をしてもどんな仕事をしても、生きている心地がしないのが真である。
直樹も何かを探し求めて生きている気がした。何かを壊そうとすること、殺人を犯すこと。それらがきっと直樹にとっての生きている心地なのだろうか。
バスの運転を試みようとするシーンはすごく人間らしくて好きだった。
こんなに長い映画は初めて観たが、台詞による情報量が少ない分、映像の撮影の仕方によって伝わってくるものがとても豊かに感じた。