Kz氏

EUREKA ユリイカのKz氏のレビュー・感想・評価

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)
4.0
九州方言が映画のリズム。20代の頃、福岡出身の同僚としょっちゅう飲んだくれていたので、そのリズムが懐かしい。

北九州サーガ第二作。217分。15歳の宮崎あおいがとても可愛い。斉藤陽一郎を介して「Helpless」と繋がる。

定点固定、長めのカットを積み重ねた寡黙な映画。多くを語らないために、3時間40分を要するが、その分の説得力がある。
西鉄バスジャック事件をモチーフに「癒しと再生の一大叙事詩」と言われているけれど、殺人を介して命の重さを描いた作品に思える。
いだに根強く残る「穢れ」を忌避する共同体意識も告発している。伏線の見事さに驚く、通り魔殺人のミステリでもある。

セピア色の画面が、物語の普遍性を支えているが、ラストシーンの空撮で一気にカラーに変わるのに感動する。
Kz氏

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