踊る猫

EUREKA ユリイカの踊る猫のレビュー・感想・評価

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)
4.8
三度目の鑑賞になったのだけれど、やはりこの映画は傑作ではないかという疑問は確信に変わった。ほぼ三時間半という長尺でありながらムダが殆どなく、多用されるロングショットと長回しがそのままややもすれば閉鎖的になってしまいそうな狭苦しい北九州の風景のスケールを広めることに成功しているのではないかと思う。ネタを割るのは慎むが、役所広司氏が演じる沢井誠が斉藤陽一郎氏演じる秋彦を殴るところで思わず落涙してしまった。沢井のキャラクターがいつもペコペコ頭を下げて事なかれ主義で過ごす人物として描かれていることを思えば、これは異例のことであるのが二度三度観ることで納得させられたのだ。あとは壁をノックするシーンが印象に残る。孤独を抱えている人物が、相手を受け容れることを意味するのではないかと。
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