ぺん

アイアン・ジャイアントのぺんのレビュー・感想・評価

アイアン・ジャイアント(1999年製作の映画)
4.2
少年と巨大ロボの友情物語。今さらながらレディプレイヤー1に出てるのが嬉しかったなぁ。

異形の存在と子どもが意志を通わせていく話は昔からあるものの、今作は1950年代のアメリカを舞台にしたことでエッジが効いてる。
冷戦時代、核戦争に怯える世相を反映し、未知の存在に脅威を感じて排除しようとする大人たち。今に通じる部分もあるかも。
アイアンジャイアントのレトロで無骨なデザインも世界観に合う。
このジャイアントの動きも大きな子どものようでとても可愛い。
シンプルなデザインなのに感情豊かで、だからこそ後半に明かされた彼の秘密とのギャップに驚かされる。

途中で「バンザイ」と池に飛び込む描写がありますが、ラストの展開を予感させているのかも知れません。
戦後すぐという設定もあり、日本人からするとバンザイの意味を考えるに複雑な部分もあるけど。ブラッドバード監督作品はこういう皮肉っぽい描写が入るイメージ…

スーパーマンを憧れの善性として描きながらも、スカッとするというより観た後にしっとりした余韻を残す。
王道でシンプルなストーリーながら描写は丁寧なので引き込まれまる。
母親の恋愛模様も意外にしっかり入ってるので、大人になって見直すと印象はまた違う。
なりたい自分が何かも分からないまま育ってしまったけど、楽しめる部分は変わらず楽しんだ。
ぺん

ぺん