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渇いた太陽のSIのレビュー・感想・評価

渇いた太陽(1962年製作の映画)
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2021.9.13
自宅PCにて鑑賞

役者としての成功を夢見るもう若くないビーチボーイの主人公は、成功と初恋の女性を共に手に入れるために故郷の復活祭へ戻ってくる。彼女の父親である権力者の妨害や、連れてきた落ち目の大女優への脅迫がうまくいかなかったりと苦しみながら、権力者たちにより顔を傷つけられ主人公の役者人生は閉ざされるも、彼女は翻意して二人は駆け落ちする。

「欲望という名の電車」「去年の夏 突然に」に続くテネシーウィリアムズ原作。ポールニューマン。
やはりこの原作者は意図的に三幕構成を崩している。
途中から始めて、途中で終わる。苦悩する主人公達にはどんな過去があったのか。主人公は何を狙っているのか。それをヒキとしながら、4回ほど挿入される回想で少しずつ明かしていく。うまい。
ハリウッドに必死で食らいつこうとするトシの主人公は、とんでもなく惨めでダサいのだが、ポールニューマンがやっていると観れてしまうから不思議。
もはや権力者の選挙の結果などは明かされぬまま物語は終わるのだが、それもまた余韻として良い。

脚本家あがりの監督のためか、個人的にはこれといった画はなし。
ボス(エドベグリー)がホテルに飼っている愛人。自分の悪口を言っていると知ったボスは、愛人に笑顔で宝石ケースを渡し、うっとりしているところそれを急に閉じ、女の指を挟ませ頬をはたく。絶叫。恐ろしい芝居。

古典、でした。
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