ドント

必殺女拳士のドントのレビュー・感想・評価

必殺女拳士(1976年製作の映画)
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 1976年。志穂美悦子の「女○○」モノ最終作。悪党たちに再起不能の傷を負わされた父親に鍛えられた女格闘家がアメリカから帰国。巨大な空手組織を作り上げていた仇の首魁に挑む。
 父親が千葉真一で、志穂美を鍛えた末に死ぬというのはいかにも「禅譲」といった趣で熱いけど、元は醜悪な世界にビッと咲く花の如き存在感で鳴らしていた彼女にそういうモノを背負わせてしまうのは逆行してやしないかとの違和感がつきまとう。同姓からのアイドル的人気がすごかったという志穂美のしなやかな美しさと殺陣は充実している分その重みが気になってしまう。
 それはさておき書いた通りアクションは安定しつつもかなりよい。vs倉田戦の執拗な前蹴り連発など最高でかなりテンションが上がる。他方撮影がもうひとつといった印象で、他監督に近い演出だと言うのに何故かこう、なんかこう、うまいこと回ってない。不思議なものである。こういう作品に縁遠そうな佐藤蛾次郎と加藤嘉が出ていて、「石橋雅史に攻撃されて死にかける加藤嘉」という激レアなものが見れる。
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