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リトル・マーメイドのchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(1989年製作の映画)
5.0
ディズニー黄金期はこの作品から始まった!あんまり細かく書くとお歳がバレますが、一般にこういうアニメ作品を楽しむお年頃がそのまま本作品から始まるディズニー・ルネサンス初期で、VHS(古い...)、サントラCD、その他各種グッズなど家にはずらりと揃ってましたし、まさにディズニーで育ったと言ってよきであるよ。いま改めて観ると、こんな名作の数々で育ったとはなんて贅沢な子供時代だったんだとしみじみ。以下、大人になった今だから感じる感慨とツッコミを。

まず第一に、これを親子で観る意義を強く感じます。人魚として海で生まれたけれど人間として地上で生きることを望むアリエル。自分の生きたいように生きなければ幸せは決して掴めない。例えそれがとてつもない困難と犠牲、そして愛する家族との訣別を意味するとしても...

彼女の姿にどれほどの子供が勇気づけられたことでしょうか?美しい音楽も相まってディズニーマジックの代表のように言われる本作ですが、彼女にハッピーエンドをもたらしたのは魔法ではなく自分の人生を選択する彼女の勇敢な姿勢に他なりません。

といっても猛反対する父親も悪者としては描かれず、親の立場から強く共感できる描き方になっています。だからこそ終盤でセバスチャンの「子供には自分自身の人生を生きる自由がある」という言葉を聞く父の姿は涙せずには観られない。こういう視点は子供の頃にはなかったですね。自分の親はこの部分をどんな気持ちで観ていたのだろうかとふと思ってしまいました。

真面目な話の後は、ちょっとツッコミを。ボートのシーンから王子エリックはセバスチャン達の言葉を理解できることがわかります。ならよぉ、これ、セバスチャンがエリックに事情を説明すれば万事即解決したんじゃね🤣?ということは、子供の頃には思わなかった。

というわけで総合的に考えると、結局本作を味わうにあたり大人になることがよかったんだか悪かったんだかよくわかりません、結論。

その他、思った以上にコメディ(「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」のコンビなので当たり前か)なのと、思った以上にサクサク話が進むな(子供にはちょうどよい)と感じた次第でした!
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