三四郎

奇蹟の処女の三四郎のレビュー・感想・評価

奇蹟の処女(1931年製作の映画)
4.0
これもキャプラ監督作品でハッピーエンド、しかしやはり胸に突き刺さるものがあるんだよなぁ。盲目の青年を演じるデヴィッドがかなりいい!彼がバーバラに、街に残ってもらうために、また彼女に自信を取り戻させるために、人生を悲観してほしくないと「奇蹟が起きた!目が見えるようになったんだ!君のおかげだ!」と彼女の部屋に置いてあるものと位置を覚え、演技する場面はもう胸に突き刺さり、えぐられるほど、心が痛く苦しくなる…。
子供時代から映画を見てきて、よくこういうシーンには出会ってきたが、辛くて切なくて見てられない…。本当かどうか試すバーバラの役もせつないし、盲目の青年が目の前に立っているはずの彼女に話し続け、彼女がいないと気づくところも辛い。
あのシーンは盲目の青年一人だけを枠におさめているからこそ、彼の背後にまわったバーバラを写していないからこそ、観客にとって盲目の青年に対する辛く切ない哀れな「羞恥」が増すのだ。だからいっそう心が傷む。第三者の羞恥心とでも言おうか…。
24歳のバーバラはスタイルはいいが、顔は初々しいというか少しふっくらしているように思う。若く新鮮な蕾かしら。しかし、とろけるような愛らしき瞳なり。キスが上手いなー。
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