K助

マトリックス レボリューションズのK助のレビュー・感想・評価

2.1
  「やっと帰って来たか、アンダーソン君。
   君がいなくて寂しかった」

マトリックス三部作の三作目にして完結編。
微妙に手垢のついたディストピアな世界観を、独特の映像センスで傑作に仕立て上げた『マトリックス』、だらだらと垂れ流される映像とセリフでドン引きした『マトリックス:リローデッド』。さて、本作の出来は…?

一作目と二作目の落差が激しかったシリーズですが、三作目はその中間辺り。映像的な驚きは薄れた代わりに、二作目のような監督の自慰行為じみたものでもなくなり、普通のディストピア型SF映画となっています。

『マトリックス』の好評を受けて三部作化されたシリーズの評価は、続く作品がない事と、リメイク頼りのハリウッドが手を付けていない事と、ウォシャウスキー兄弟がそれ以後に名前を聞く事がなくなった事を思えば、自ずと明らかです。

人間、引き際が肝心だなぁ。

追伸:『マトリックス:リローデッド』で僕をゲンナリさせたフランス人風情報屋メロヴィジャンとその護衛ですが、メロヴィジャンは一回出て来てちょっとしゃべるだけ、護衛二人は影も形もない事から、彼らに対する僕の不快感も、あながち間違いでもなかったようで。
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