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バウンティフルへの旅のkazunのレビュー・感想・評価

バウンティフルへの旅(1985年製作の映画)
3.5
キャリーは息子夫婦と狭いアパートに同居しているが、気の合わない嫁や窮屈な生活から逃れるべく故郷に帰る事を決心する。

lemmon様のレビューを見て鑑賞。

以下妄想…

息子ルディの心情
都会に仕事がある以上、田舎に母親を一人でおいておく訳にはいかない。狭いアパートだが自分の給料だとカツカツなので仕方ない。母親の年金もあれば助かる。同居させている負い目があるからジェシーには頭が上がらない。何とか波風立てず暮らしたい。

嫁ジェシーの心情
1人息子だから姑の面倒を見なくてはいけないのは分かるけど、狭いアパートで四六時中一緒なのは息が詰まる。嫌だと言ってるのにしょっちゅう讃美歌を歌われるのにもうんざり。子供を産んで欲しいと言われるのも傷つく。

キャリーの心情
息子は優しいから嫁を庇ってばかりなのがしゃくにさわる。嫁がカツカツの生活なのに着飾って出掛けたがるのも感心しない。おまけに年金を狙って自分で管理しようとしているのは許せない。死ぬ前に田舎の生家に帰りたい。

いつの間にか自分の故郷の駅が無くなってるってショックですね。
自分は少し違いますが、4歳から高校時代まで住んでいた団地を10年以上経って見に行ったら更地になっていてすごく寂寥感を感じた事を思い出しました。

キャリーは今までは失敗したけど何とか家出できて、頼りになる同行者と旅を続ける事ができました。自分の心が「行く」というからそれに従ったのです。保安官が引き留めても揺るがなくて、医者が親切に連れていってくれました。多分もうチャンスは無いと診断したのでしょう。

愛していない人と結婚せざるを得なかった、子供2人に先立たれた、夫ももういない。思いどおりにならない人生も、もうすぐ終わりに近づいてる。だけどこの廃墟になった実家を見ることが出来た。

私も近所の山や川、桜の木とか見ると、私が生まれる前からあって私が死んだ後も人々を見つめるんだろうなと、つくづく人生は短いな、と感じます。
そんな事を考えさせられた作品でした。
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