このレビューはネタバレを含みます
故郷の町へ帰る旅に出る、老婆の話。
姑との仲も上手く行かず、健康にも不安を抱えた女性が、一念発起して故郷に帰る…という本当にそれだけの映画でしたね。
一応、ロードムービーとして、旅の最中で出会う人々との交流も描かれるのですが、お互いに身の上話をする程度で、そこまで深いコミットはせず。
話が重たくなり過ぎずに、サラっと見れるのは良い反面、人間ドラマとしての見応えには欠けるので、ここは好みが分かれるところでしょう。
ラストは、何だかんだで家族の和解が描かれるわけですが、息子夫婦が改心した理由が描かれないので、説得力に欠けると言いますか、若干の御都合主義的に感じる部分もあったかな。
主演のジェラルディン・ペイジのチャーミングな演技も相まって、主人公は魅力的だし、特に退屈する事もなかったのですが、その一方で振り返った時に、特に印象に残る場面がない…というのも正直なところ。
別に悪い映画ではないのですが、かと言って、人に勧める程の理由も乏しく、それ故に、わりと埋もれた作品になっているのかもしれません。