いののん

グロリアのいののんのレビュー・感想・評価

グロリア(1980年製作の映画)
4.2
やれやれ
ムカつくガキだぜ
おまえ、ガキのくせに偉そうなこと言ってんじゃねえ!
おとななめんなよ!

と、アタシだったら言い放ちたい。
ヤケクソはアタシの得意分野だ。
こんな八方ふさがりのどん詰まり状態だったら、
もう誰かさっさとアタシを撃っちゃってくれ。


だけど、この映画の主人公はアタシじゃない
(当たり前かっ)


主人公のグロリアはアバズレらしいが、アタシのような雑魚のチンピラじゃない。ハイヒールが似合う、ブロンドの髪がキレイな、もっとオトナの女性だ。煙草のふかし方や、ウエイトレスに言う「消えな」や、銃の扱い方。やくざと渡り合う姿に、その片鱗をサラッと見せる。さすがだ。


さて、これは家族が組織に立ち向かう話だ。あるいは、個人はどうやって組織に立ち向かっていくかというお話。それから、女がクソガキを守る話かと思いきや、そうではなくて、女が最愛の男を守ろうとする話だった。彼は、髪を優しくなでてくれる。愛してるって言ってくれる。いっちょまえのオトコになろうとしてくれる。だから少年は、最愛のオトコになる。なってしまう。ベッドで一緒に寝るのも最高。一緒に墓場で死ねたらそれでいい。


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*あの少年が、誰かに似ていると思いながらそれが誰なのかを思い出せなくて、やっと顔を思い出せたのだけれど今度は役者の名前が思い出せなくて。それでやっと思い出せました。濱田マリさんです!あー、スッキリしたあ!濱田マリさんに似ている。私は今後、この映画の少年を思い出すときに、濱田マリさん経由で思い出すことになりそうです。
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