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グロリアのmareのレビュー・感想・評価

グロリア(1980年製作の映画)
4.0
それまでのカサヴェテスにはないような疾走感。静の映画から動の映画へのシフト、スリリングな逃亡劇は気の抜けない危険さを臨場感たっぷりに味わえる。それを際立たせるのがグロリアとひょんなことから奇妙なバディになる子どもの存在で見ていてハラハラする。グロリアが見せるタフな女性像は逃げ続ける日々から立ち向かう勇気を少年の心に宿す。少年の自立へと向かう精神的成長とグロリアに次第に芽生え始める母性がそれぞれ共鳴する。カサヴェテス映画には欠かせない会話劇も程よい塩梅で花を添えている。グロリアのタフな女性像は現代のジェンダー問題へと通じるものがあり影響の大きさを感じる。
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