イチロヲ

ミストのイチロヲのレビュー・感想・評価

ミスト(2007年製作の映画)
4.5
濃霧の発生により食品店に隔離させられた町人たちが、霧の中に潜んでいる謎の怪物に脅かされる。未曽有の怪異現象に見舞われた人々のパニック行動を描いている、スティーヴン・キング原作のモンスター・ホラー。今回、私は「モノクロ版」のほうで再鑑賞している(監督いわく、最初からモノクロでの上映を希望していたそうな)。

日本公開当初、「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」の感動路線を期待していた観客たちに対して、一斉にトラウマを課すという偉業を達成した作品。天才ダラボンの80年代の仕事ぶり(悪趣味全開!)を知っていると、「あっぱれ!」と叫びたくなってくる。

社会の縮図となっている店内で、利己的、欺瞞的、悲観的な人々が人間模様を繰り広げるという、多分にステレオタイプが感じられる内容。出涸らしネタの直球勝負で構成されているが、「いつか深夜帯で観た、恐怖映画LOVE」がしっかりと感じられるため、気持ちのよい映画体験をすることができる。

モノクロ版は、真っ白な濃霧に包まれていく恐怖感が倍増しになっているため、展開が分かっていても手に汗握ることが可能。ヒッチコック作品に「白い恐怖」というのがあるが、まさに本作のモノクロ版こそ、この邦題がふさわしいと思われる。映画作品からショックを受けたい人はマストとなる逸品。