KJ

ミストのKJのレビュー・感想・評価

ミスト(2007年製作の映画)
4.3
何かとラストがうんぬん言われがちの作品だが、この映画の見処はそれではないと思う
極限状態で、人がどのような行動をとるのかという部分を極めてリアルに描いている
バカにされてた近所の変わり者のおばさんが急に一定数の支持を集めてしまったりするんだろう
そんな『リアリティのある気持ち悪さ』みたいなものがウリだと思う
そこんとこはやはりスティーブン・キングの味なんだろう
しかしそれも表の顔で、スティーブン・キングの本質は、どこかの漫画家と同じように人間讃歌ではないだろうか

必ず、冷静で勇気ある人が、誇りある人が出てくる気がする

少々ネタバレになりそうで申し訳ない

バッドエンドが嫌いなら観なければいい
水戸黄門とか暴れん坊将軍ばっかり観ときゃいい

それは俺は、視野が浅いと思う
勝たないと何の意味もないと思ってるからだ
敗けて得るものは何もないという幼稚な見識だ
亀田の親父も言ってたが
それは大人の言うことではない

俺は、主人公はことごとくベストな選択をしたと思う
ベストな選択をしても正解とは限らないというだけだ
今知りうる情報を全て生かして、持ちうる知識を、冷静な判断と勇気ある決断で選択しても、それが失敗することもフツーにあるというだけだ

それを観客に突きつけた映画はいくつもない
だからこそ、評価したい

気持ち良く観れない映画ではあるけど、好きとはとても言えないけど、悪趣味だとも思うけど、それが面白い
少なくとも、観たことあるような映画では全くないから
KJ

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