後味の悪い映画ランキングで上位に位置し、どす黒い輝きを放つこの映画。『ミスト』を観た後では『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』の名作のタイトルも人を釣って衝撃の暗闇に突き落とすためのエサに見えてくる。
深緑や紺色や紫なんかの濃い色を混ぜ合わせて限りなく黒に近い色になった感情が心を埋めつくしていく。
群集心理を見る。
最近ニュースで群集心理という言葉を耳にする。
ハロウィンの渋谷で暴徒のように集団で暴れる若者たちや、人気女優の橋本環奈が大学の学園祭イベントに出演することになり観客が殺到しさらに「橋本環奈が整理券を配っている」という（考えればそんなことしてるはずがないとわかるような）デマが広まり押されて倒れてケガ人が出てイベントが中止になる始末。
どこかの国では「あのふたりは子供をターゲットにした連続殺人犯だ」というガセ情報に踊らされた地元住民が集団でふたりをリンチしそのまま殺害するという事件があったという。被害者ふたりはただの旅行者であったとか。
群集心理という言葉を聞くとこの映画のことを思い出してしまう。
なにか不都合があると人は「自分の責任ではない」とか「誰かのせいにしたい」という思いが生まれそこにつけこまれたように集団になるとその行いが正しいのか間違っているのかを考える思考が鈍り流れのままに流されてしまう。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」っていうやつだね。
