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その街のこども 劇場版のmakiのレビュー・感想・評価

その街のこども 劇場版(2010年製作の映画)
4.0
森山未來が当時小学4年生、佐藤江梨子は中学1年生、ということで映画でもその実年齢から経た時間で描かれているけれど、森山未來が発したように、この年頃の子供の記憶というのは、1、2歳でも大きく違う。ましてや、同じ地震を経験してもその被害は人によってかなり違うし、受け止め方も違う。可能なこどもたちは早くに近くの親戚の家へ預けられたりもした。その微妙だけれど、大きな違いは、人それぞれ内側に抱える多様な想いを共有する難しさがあるし、こどもならではの言葉にしにくい想いは、どれだけ街が復興しようとも、10年、20年、という時間でしか向き合えない。

そういうことなんだ、ということを、こういう災害でのそれぞれの想いを抱える同じような経験をした元こどもたちに届けられる映画。

森山未來と佐藤江梨子という、俳優としても相入れなさそうなキャスティングが、神戸という街でしか繋がらない絶妙な距離感をリアルに感じる。
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