ニューヨークのオンボロの通称ジャンキーアパートに引っ越してきたアイルランド人の四人家族によるヒューマンドラマ。
下の階の住人マテオとの交流を深めることで、家族(特に父親)が末っ子のフランキーと向き合うようになる話の流れがスムーズ。
親にも指摘する冷静な姉と無邪気で物事を素直に捉える妹の姉妹は、弱冠テンプレ気味だが実際姉妹ってそういうものだし、何より子供達の微笑ましい感じが映画全体の空気を柔らかに包んでいる。
マテオがあまりにいい人すぎてファンタジーに思えた時点で、その後の病気設定も赤子に起こした小さな奇跡もストレートには乗れなかった。けれども家族で空を見上げるラストシーンまで見ると、絵空事に見えたとしても、小さな幸せから希望を見いだそうとする映画も良いもんだなという気分になった。
DVDジャケットの構図が「桐島、部活やめるってよ」に似てるが内容は別物。ビデオカメラの映像の温もりが感じられるあの質感が好きなんだよな。