MasahideYoshida

ドッグヴィルのMasahideYoshidaのレビュー・感想・評価

ドッグヴィル(2003年製作の映画)
4.0
2003年公開
監督 : ラース・フォン・トリアー
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ある廃坑の町に、謎の女が逃亡してきてから起こる、人間の愚かさのお話。

人にやさしくするとか、寛大であることの、傲慢さについて描いた物語。「大目に見てあげる」ということは、ひるがえって言えば「大目に見てあげないと対等にならない」という、人を下に見る行為であるかもしれないという、最後の親子の車中の会話がエグイ。おかしいことをおかしいといい、間違っていることを間違っているといえる関係こそ対等。皮肉なことに、劇中そんな関係性で会話ができているのは、最後の車中だけ。象徴的なのは連呼される「ほんとうはこんなことしたくはないんだ」というセリフ。社会がみんなして暴力に化ける瞬間をみるような、やっぱりラースフォントリアーは変態だっていう、恐ろしい映画。

ニコール・キッドマンが美しすぎて罪。
舞台としてどこかでやってほしいような、再現しようとしないでほしいような。