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ドッグヴィルのamのネタバレレビュー・内容・結末

ドッグヴィル(2003年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

小さな鉱山町に現れた美しすぎる"余所者"グレース(ニコール・キッドマン)の存在により、田舎の素朴で不器用ながらも優しい住人達🌱☀️的な幻想がボロボロと剥がれ落ちていき最終的に地獄と化す話。

全く前情報ナシで見始めたので、まず奇妙なセットにギョッとした。
平らな床面に白線で描かれた村の見取り図と、その上に配置された家具や小道具と20名ほどの住人達。
こういうプロローグなのかな、と思ったらそのセットだけで3時間押し通すから恐れ入った。
田舎町の物理的・心理的な閉塞感がそのまま可視化されるような巧妙な造りで、なおかつめちゃくちゃ安上がり。完全に発想の勝利だなぁ。


男からは鬱積した性欲を、女からは陰湿な嫉妬心を向けられて疲弊していくグレースを憐れみつつも、無抵抗で状況に身をまかせる彼女にもイライラするので全方面で胸くそが悪い。

これはもう村人全員の頭部が『スキャナーズ』ばりにパァーン!と破裂して村ごとドカーン!と爆破消滅ENDじゃないと気が済まないぞ……と思いながら見ていると、
それに当たらずとも遠からずな結末となるので一応ある程度気が晴れた。

……のだが、その直前にグレースとその父の間で交わされる「真の傲慢さとは」の問答が、殺戮ENDを望むこちら側にも突きつけられるので結局胸くそが悪い。はいはい傲慢でスミマセンでしたねぇ!

この「傲慢さ」についての問題提起こそが映画の肝なんだろうけど、「深イイ〜🤔」とはならずに「しゃらくせえ…」と思ってしまったのでやっぱり私はトリアーと相性悪いんだろうな。。
どうもいけ好かないな……と思いながらも最後まで面白く見てしまうから余計にいけ好かんのよね
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