ガブXスカイウォーカー

ブルースチールのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

ブルースチール(1990年製作の映画)
3.8
男性社会の中で翻弄される新人婦警メーガン(ジェイミー・リー・カーティス)に、言葉巧みに近寄るユージン(ロン・シルヴァー)が面白い。メーガンを誘惑し、セックス直前までいったところで殺人鬼の正体を自ら現すそのサイコぶりは最高だ(やってから正体ばらせばいいとも思うけど)。その後も執拗に彼女をつけ狙い、作品を盛り上げてくれる。
なぜユージンはそこまでしてメーガンだけを責め続けるのか? ただいたぶって楽しんでいるだけなのか? ひょっとしてこれが彼の愛の形なのか? 僕には真意は読み取れなかったが、『ヒッチャー』などのエリック・レッド脚本らしい悪役と言えよう。
もちろん、キャスリン・ビグローの演出も確実に前作『ニア・ダーク/月夜の出来事』よりも進歩し、天才ぶりを発揮している。クライマックスのメーガンとユージンの撃ちあいは壮絶で迫力がある。
僕に言わせると、たいていの映画監督は初期の作品が面白い。キャスリン・ビグローもまた『ニア・ダーク/月夜の出来事』とこの『ブルースチール』が一番好きだ。受賞しまくりの『ハート・ロッカー』もいいけど、もっとこの2作品が評価されてほしいものである。