似太郎

ストレンジャー・ザン・パラダイスの似太郎のレビュー・感想・評価

5.0
この映画を観たのは近所のビデオ屋で借りて、中一ぐらいの時だったかな。📼

最初に観た時は全編ダラダラした会話と長回し映像に欠伸が止まらず、良さが理解出来なかったのだが、段々とこの若者三人の「やり取り」「逃避行」といったキーワードに惹かれていき最終的に自分のお気に入り映画の仲間入りを果たした。

この映画の最大の良さはコミュニケーション下手な若者の屈折した心理と、そのモコモコ漠然とした風景描写にある。インディーズ映画だからこそ成立したミニマムな宇宙。また、主演ジョン・ルーリー自ら手掛けたショボい現代音楽のようなスコアも印象的。のちに中古のサントラを買った思い出がある。(と、思ったらラウンジ・リザーズの人だったのね。)

ぼくの「映画表現」に注視するようになったキッカケはまさにこの映画が最初であり、本作とマチュー・カソヴィッツの『憎しみ』は自分の中坊時代のバイブル的作品として今も良く見返しております。躊躇わず5点。😀
似太郎

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